日本緩和医療学会学術大会

第26回 日本緩和医療学会学術大会
http://jspm2021.umin.jp/

第8回インタビュー
大会長インタビュー 〜学術大会開催後インタビュー〜

大会長 橋口さおり

Q. 新型コロナの影響で何かと大変だったと思いますが、参加者も5000人を超え盛況のうちに終わりました。開催後のお気持ちを教えてください。

2年半前に大会長を引き受けたのですが、その頃はコロナのことなど予想すらできませんでした。大きな会場をどう使おうかな、懇親会どうしようかな、などと思いを巡らせていましたが、昨年2月にコロナ感染の拡大があって第25回大会が完全WEB開催となったときに、これは大変なことになったと心底思いましたね。

コロナ禍は天災だと思いますが、それが始まって1年となると、ある程度準備期間があるわけです。「こうなっちゃったから申し訳ありません」と謝るわけにもいかないですし。

完全WEBも遠隔地の方や忙しい方には便利ですが、交流の機会は制限されます。幸い、WEBの技術は上がってきていると思いましたので、開催方式に制限があることを、これからの大会のあり方を考えるチャンスにしようと考えてハイブリッド形式を選択しました。

準備期間中は最後までどうなるかわからない状況でしたが、事務局長を務めた竹内麻理先生をはじめとする緩和ケアセンターの方たちの大車輪の活躍や実行委員会のメンバーの温かい支援もあり、開催にこぎつけることができました。

5000名以上の方にご参加いただけたこと、たいへんありがたく思います。

Q. 初めてのハイブリッド開催で、会員ではない方も多く参加されたようですが、良かった点と反省点などあればお聞かせください。

LIVE配信

今回の大会で初めて導入しました。最初はZOOMで各会場を中継すればよいのかなと軽く考えていましたが、準備を進める中で、安定した配信のためにはかなりの費用と人手がかかることがわかりました。質疑応答やオンライン上にいる演者とのディスカッションはスムーズにできましたので、リアルタイムの良さは感じていただけたのではないかと思います。

オンデマンド配信

一般演題も含め、多くのプログラムは事前収録のうえでオンデマンド配信となっています。時間を気にせずにじっくり勉強できますし、見づらいポスターやスライドといった問題はありませんので、学習には役立つと思います。

ライブもオンデマンドも場所を選ばずに参加できますので、今後もこの形式は何等かの形で続くのではないでしょうか。

共催セミナー など

共催セミナーとして多くの企業様に協賛いただくことができ、とてもありがたく思います。現在、企業主催のオンラインセミナーがいろいろ開催されていますが、学術大会での共催セミナーは共催側と聴衆の双方にメリットがあると思います。聴衆にとってはまとまった時間に学習できますし、企業様にとってもその製品に興味のある聴衆を確実に得ることができます。

今回は小規模でしたが、現地での展示も復活させました。学術大会はお祭りの要素もありますので、このような賑わいは大切だと再認識しました。

ご協賛いただいた企業の皆様には改めて感謝申し上げます。

Q.大会長を務められて今後の大会への展望があれば教えてください。

ポストコロナではコロナ前の世界に戻ることはありません。技術の進歩を背景に大きく時代が動くことになると思っています。学術大会もそのひとつで、WEBやAIを使った様々な試みがこれからも継続されるのではないでしょうか。日本緩和医療学会は規模も大きく、主管する組織はたいへんですが、ぜひがんばっていただきたいと思います。

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