- 2021/04/23
- 緩和ケア便り 4月号
第26回 日本緩和医療学会学術大会
http://jspm2021.umin.jp/
第6回インタビュー
組織委員インタビュー 〜第26回 日本緩和医療学会学術大会に向けて〜
慶應義塾大学病院 緩和ケアセンター
看護師(がん性疼痛認定看護師)
藤田 幸子
Q. 6月の学術大会開催に向けての準備中だと思います。組織委員として現在の取り組みを教えてください。
私は広報を担当させていただいております。
これまでは抄録が発行されるまで、参加者の皆様にはなかなか学術大会のトピックスや講演内容などをお知らせすることができませんでした。
日本緩和医療学会でも、学会広報委員の皆様のご尽力でSNSによる話題提供が一般的となったことで、今回の学術大会でもSNSをより活用できればと考えております。
ご一緒に活動させていただいております当院緩和ケアチーム瀧野先生と協働して、現在海外講演の演者の方やトピックスなど学術大会の魅力をSNSでご紹介しております。
皆様がわくわくドキドキしながら学会にご参加・ご視聴いただけるよう、当日まで情報をお伝えできればと思っております。
Q. 当センターが学術大会の主幹に決定した時のお気持ちを教えてください。
初めての経験でワクワクしたと同時に、何をどのようにしていけば良いのか全く分からず不安な気持ちもありました。私に何ができるか分からないけれど、橋口先生に付いていきます!という感じでしょうか。
Q. 藤田看護師が、がん性疼痛認定看護師を取得するきっかけを教えてください。
子供のころにがんの祖父を自宅で看取ったことが最初のきっかけです。
当時は、終末期がんの訪問診療、在宅でもオピオイドを使うという考え方はなく、痛みが取れず、時折痛いとつぶやく祖父に何もできず、側にいることしかできませんでした。その無念さというのでしょうか、ずっと心に残っていて、看護大学時代に一生の仕事にしたいなと思うようになりました。
就職面談でも「将来は緩和ケアがやりたいので、がん患者さんがいる病棟で働きたいです!」と強く希望したところ(若いって怖いもの知らずですね)、配属先はがん患者の多い消化器外科にしていただき、しかも当時はまだ数少なかった“がん性疼痛看護認定看護師”の元で働くことができました。
興味は持っていても、教科書でしか知ることができなかった緩和ケアの実践、看護師の役割などを側で教えてもらい感じたことで、一段と緩和ケアに興味を持ち、自分も認定看護師資格を取得しようと考えるようになりました。
認定看護師になった今も分からないことはまだまだありますが、橋口先生やチームの医師・看護師の方々のご指導を受けて、少しずつ患者さんの役に立つ緩和ケアチーム看護師になれればなと思っています。
Q. 参加を考えている方々へ、看護師の観点から第26回学術大会のアピールポイントをお願いします。
【開催方式】今回はCOVID-19の影響でハイブリット方式での開催となりました。Web視聴の場合、現地で皆様にお会いできないことは残念ですが、2交代や3交代でお仕事をされている看護師の皆様には、講演の多くをオンデマンド方式で視聴していただけるのはメリットになると思っています。
【学術大会の内容】がん治療は日々進歩し治療の選択肢は増え、治療できる期間も延びていますが、がん患者さんの感じている苦痛は大きく変わりません。患者さんががんを患った事、がんやがん治療により変わった自分をどう捉え、どう向き合い、何を希望し、どう過ごしていくのかという患者さんの意思に対し、医療者がしっかりと患者さんと向き合い支援するという役割は減るどころか、より支援を必要とする方は増えていると感じています。「初心不可忘」という大会スローガンが示しますように、今回の学術大会が、緩和ケアに関わる私たちの立ち位置、役割を今一度考える機会になればと切に願っております。