先程も、ご紹介しましたWHO治療法では、がんの痛み治療の基本として、痛み止めの鎮痛薬をくり返して使う治療法です。
そして、5つの基本原則を守って治療することで、痛みの治療の効果が保たれます。
- 1.できるかぎり患者さま自身でできる内服や貼付パッチや、坐剤とし、患者さまの自立を助けます。
内服できない場合は、注射などを使います。
- 2.病状の進み具合いとは関係なく痛みの強さに合わせて、痛み止めの鎮痛薬を使います。
神経因性の痛みもある時は、鎮痛補助薬も併用します。 - 3.痛みが消える量は、個人差がありますので、最初はどの患者さまも安全な少量で使いはじめ、効き方やその他の作用のあらわれ方をみながら、日毎に3割から5割ずつ増やすことで、安全性を確 保しながら、痛みが消えるまで増量します。
他の方と量が違っていても、それが、あなたにとっての適した量ですので、ご心配なさらないでください。
もし、満足な効果が得られない場合は、ただちに医療チームで検討し、処方内容を変更します。 - 4.処方が決まれば、決められた時間にきちんと飲んでください。
いつも痛みのない状態をつづけていくことを目標に、薬の効果がきれる前に規則正しく飲んでください。
もし、次回の服用時前に痛くなることがあれば、臨時に服用するレスキュードーズができますので、遠慮なくおっしゃってください。 - 5.どの痛み止めも、痛みを止める作用以外の作用をもっています。
薬がまさに両刃の剣といわれる由縁です。
その時は、他の作用をおさえるための薬を併用します。