- 2018/8/16
- 緩和ケア便り 8月号
医療連携推進部 緩和ケアチーム管理栄養士 赤川亜津子
5月から、緩和ケアチームに参加することになりました、管理栄養士の赤川亜津子です。
現在の所属は、医療連携推進部で、2年前の3月に、食養管理室から異動となりました。食養管理室は、病院の給食と栄養の管理を行う部署で、主に給食の献立やシステムの保全を担う業務・栄養相談などを担当しておりました。2年前に当時の入退院センターに異動となり、入院される患者さんの食種選択支援と食物アレルギーの確認の業務を行っていましたが、昨年の組織変更で「医療連携推進部」という名称に変わりました。私の担当する業務内容は変わらず、「前方連携」に組み込まれています。
食養管理室時代は、「食べたくて食べたくて我慢ができない」「治療のための食事の制限が守れない」というような患者さんの対応が多く、なんとか食事量を守らせる、治療のための食事を認識させる、ということに注力する場面は多く経験していました。しかし今回、緩和ケアチームの一員として活動することとなり、「薬の副作用で吐き気がある」「味覚が変わった」「病気の進行が心配で食欲がない」などの『食べられない患者さん』が対象であることが多く、今までの考え方や視点を大きく変えて、多方面にアンテナを向ける必要があり、緊張しながら回診に参加する毎日です。
私の所属する医療連携推進部には、当院の緩和ケア認定看護師3名が所属し、同じ部屋のすぐ近くで日常業務を行っているため、初歩的なことから専門的なことまで、気になったらその場で質問することができるため、大変心強く恵まれた環境でもあります。
管理栄養士として従事し、給食を動かす場面に長く関わっていた関係で、食種の分類・献立や給食の内容や食材については詳しい知識を持っています。しかし一方で、いろいろな職種が集まり、専門性を持ったチームへの参加の経験がなく、私自身が「がん」について知識が浅いことから、場違いなところへ足を踏み込んでしまったような怖さもあるのですが、得意分野をうまく生かし、そしてプロフェッショナルなスタッフの意見や処置に触れながら、「緩和ケア」の中で食事が患者さんにとっての癒しや憩いにつながっていくよう、努めていきたいと思います。
「食事」というものは、日常の生活の中に普通に存在し、特別なことではなく毎日何回も訪れるものなので、だからこそ患者さんにとっては希望と苦痛が隣り合わせになっているようなイベントでもあります。患者さんが治療を続けて行くうえで、食事がより「苦痛」から遠ざかっていくような、そんなサポートができるよう心がけて、日々の診療に関わっていければと思っています。
どうぞよろしくお願い致します。