- 2018/7/5
- 緩和ケア便り 7月号
一般・消化器外科 がんプロフェッショナル養成コース 綿貫 瑠璃奈
この度、がんプロフェッショナル養成コース大学院の一環として、緩和ケア科で2ヶ月間研修させていただきました。平素より多くの一般・消化器外科の患者様が緩和ケアチームの皆様にお世話になっておりますが、実際に自分が緩和ケアチームの中に入って研修させていただくと、色々な気付きや学びがありました。
私は乳腺外科を専門とさせていただいておりますが、当院では乳癌患者の診断から終末期まで一つの科で診させていただいており、その終末期に関して緩和ケアチームに介入していただくケースが多いです。一般的に緩和ケアチームへの依頼は痛みや呼吸苦など身体的症状の相談が多いのではないかと推測しますが、当院の緩和ケアチームにはサイコオンコロジーを専門とした精神科の先生やオピオイドなど特殊な薬剤に精通した専門の薬剤師が専任でおられたり、今では食事や栄養相談の窓口として専任の栄養士がチームに存在するなど、かなり多職種にわたってチームが構成されていることを知りました。その上で今後は適切なタイミングで適切な相談を緩和ケアチームの皆様にお願いできればと存じます。
最近では早期の緩和ケアチーム介入が話題となっておりますが、決して終末期でなくとも緩和ケアという窓口を患者に過度の不安を与えず紹介するのは主治医の役割だと思います。終末期が近づいている患者にとってはなるべく早い段階から最期の療養場所について話し合うなど、緩和ケアチームに介入していただいたり、最終的に緩和ケア病棟をご提案するケースもありますが、最後の最後で患者や家族の精神的な苦痛にならいよう、良い架け橋を結べるように努めるのも主治医としての責任なのではと考えました。
さて、この2ヶ月間ではこれまで何度も緩和ケア病棟の受け入れをしていただいてきた東京衛生病院や野中病院での在宅医療も見学させていただき、様々な形での緩和ケアについて学ぶ貴重な機会をいただき、大変感謝しております。
最後にお忙しい中御指導いただきました緩和ケアチームの先生方、コメディカルの方々に御礼申し上げます。今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。