- 2016/02/04
- 緩和ケア便り 2月号
放射線治療科
酒寄 正範
2015年12月、2016年1月の2か月間、緩和ケアチームにて研修をさせて頂きました。
私は放射線治療の観点から、他科依頼という形で当科を受診される患者さんと接しておりますが、当然ながら緩和ケアにおいて放射線治療はほんの一部に過ぎません。研修を通して、多職種の専門家がアイディアを出し合い患者さんのサポートをしている様子を目にする中で、緩和ケアの大変な幅広さを痛感しました。同時に、緩和ケアを必要とする患者さんに対して、疼痛のコントロールをはじめ、精神面のケア、社会的・経済的な支援、今後の療養調整、家族のバックアップ体制の整備などを最適な形で提供していく難しさも学びました。
今回、大学病院という急性期病院の他に、緩和ケア病棟や訪問診療など様々な終末期のあり方を勉強する機会も頂きました。緩和ケアの大切さがより強く認識されてきた昨今において、自宅で過ごしたい、あるいは自宅の近くの施設で穏やかに過ごしたい、といった患者さんの希望に応えられる体制も構築されてきています。これらの複数の施設が連携して患者さんのサポートしていくことが、何より患者さんやご家族の安心な療養に大きく貢献している様子が大変印象に残っております。
これからも放射線治療というひとつの側面から緩和ケア医療に関わっていくこととなりますが、今回の研修は、より幅広い視野からより良い医療を提供できるように考えを改めるきっかけとなる貴重な機会となりました。2か月間という短い期間ではありましたが、学んだことを胸に刻み、今後の診療に活かしていければと思います。
最後になりましたが、御多忙の中、大変わかりやすく親身にご指導下さった先生方、スタッフの皆様に御礼申し上げます。誠にありがとうございました。