緩和ケアチーム便り

緩和ケアチーム便り

2014年

2014/9/19
緩和ケア便り 9月号

放射線治療科
小池 直義

秋刀魚が美味しい季節となりました。食欲の秋の到来です。

大学院のがんプロフェッショナル養成コースの一環として7月、8月と緩和ケアチームで勉強する機会を頂きました。

残念なことに多臓器転移をおこしているがんを治すことは困難です。(語弊のないように、早期がんや局所に留まっているがんはこの限りではありません。もちろん例外もあります。)医療の進歩、特に化学療法の進歩で元気でいられる期間は驚くほど伸びています。しかし、往々にして奇跡はおきることなくがんの進行に伴い徐々に衰弱していきます。我々医療者も出来ることなら伝えたくないことですし、治療をうける患者さんにとっては受け入れ難い事実だと思います。完全に治る可能性があると思ったら抗がん治療(手術、放射線、化学療法 etc)に固執するのは当然です。多臓器転移をおこしているがんを完全に消失させることは困難である。この事実を共有することで患者さんが本当に望む治療を選択できるし、限られた時間を自分らしく過ごしていただけるのではと思っています。

この2か月間で強く感じたことは、必要なことは大切なことは患者さんとの信頼関係であり、構築された信頼関係のもとで過酷な事実も正確に伝え、その過程で生じる身体的・精神的辛さにチームでサポートしていくこと。信頼を得られる医師になるべくより一層、真摯な態度で診療に望み日々研鑽をつまねばと再確認しています。

緩和ケアチームで学んだことは技術的なことのみならず医療の根源的な情熱を学んだように思います。今回の研修でお世話になりました皆様に深く感謝申し上げます。有難うございました。

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