- 2012/10/11
- 緩和ケアチーム便り
筒井 りな
(一般・消化器外科)
秋分を迎え、朝夕吹く風もすっかり秋めいてまいりました。長く続いた残暑とももう少しでお別れです。
がんプロフェッショナル養成プラン(通称:がんプロ)の一環で9月末より約1ヵ月間研修をさせて頂きました。1ヵ月といいましても実際に臨床に従事できたのは15日間ほどでしたので、まだまだ勉強と経験が不足しているかな、と実感しております。
この研修中には、外科での診療とは違い、余裕をもった心で1人1人の患者さまとゆっくり向き合うことができました。お互いに何もお話しをしない状況で、じっと時間を共有していると、患者さまがポツリ、ポツリ、と本音を吐き出してくれます。その時間が私は好きでした。
手術治療といいましても、昔とは違い大きくお腹をあけることは少なくなってきています。麻酔技術も発達していますし、腹腔鏡を用いた手術では患者さまに対する侵襲が非常に少なくなってきています。悪性腫瘍による消化管閉塞や、出血などによるつらい症状を緩和するという意味での外科手術も、治療法1つとして、もっと身近に考えていけるようになればいいな、と思っております。
外科病棟には緩和ケアを必要とする患者さまがたくさんいます。終末期の医療としてだけではなく、術前・術後のつらい症状や検査・処置に伴う痛み、つらいお気持ちを訴える患者さまにお会いすることが多くあります。そんな時に1人でも多くの患者さまの心に耳を傾け、症状を緩和するためのサポートが出来る外科医になりたいと思っております。
緩和ケアチームの先生方は、本当に心から優しい先生方ばかりで、私の心もすっかりと緩和されてしまいました。ここでの経験を今後の診療に生かしていきたいと思っております。
短期間ではありましたが、ご指導頂いた先生方や看護師の皆さま、薬剤師の金子先生、そして診療をさせて頂きました患者さまに深く感謝いたします。ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。