- 2012/09/25
- 緩和ケアチーム便り
橋口 さおり
慶應義塾大学病院 麻酔科教室 講師
腫瘍センター緩和医療部門 部門長
蝉の大合唱だった夏が終わり、夜は虫の声が聞こえるようになりました。
少々バテ気味だった緩和ケアチームのメンバーも、元気を取り戻しつつあります。
2012年8月に、慶應義塾大学病院に新しい建物が完成いたしました。
「3号館南棟」といい、包括的な先進医療の提供と予防医学の実践を目的として建てられたものです。
1階は放射性医薬品製剤部門、2階がPETセンター、3階が予防医療センター(人間ドッグとリハビリテーションセンター)、4階は免疫統括医療センターと腫瘍センター、5階と6階が病棟という作りになっています。
これまで病院の片隅にあった緩和ケア外来も、腫瘍センターの移動とともに3号館へ移転いたしました。
当外来のほかに、腫瘍センター外来、がんリハビリテーション外来、口腔ケア外来、採血室、外来化学療法のためのベッド60床があります。
古めかしい建物しかなかった当院としては画期的に明るく、開放的なつくりになっており、患者さんからの評判も上々です。
私たちにとってここへの移転がよかったのは、関係する各科、各部門が一堂に会する場ができたこと。
まとまったカンファレンスはなかなか難しいのが現状ですが、それでも廊下ですれ違ったときなどに、「ちょっと相談…」「あの患者さんの件なんですけど…」ができるようになりました。
このくらい大きな病院になると、外の方々からは不思議なくらいに横の連携がとれなくなります。
顔を見て話をすることは、ある意味、電子カルテ上のやりとりよりも格段にコミュニケーションの質が上がります。
緩和ケアは診療科とのコミュニケーションが命。
ぜひともよい組織を構築し、よりよいがん医療の提供を目指したいと考えています。
今後ともよろしくお願いいたします。