緩和ケアチーム便り

緩和ケアチーム便り

2011年

2011/02/01
緩和ケアチーム便り

宮田 知恵子

さて、私の3ヶ月間に亘る緩和ケアチームの研修も終わりを迎えました。あっという間でしたが、豊富な知識や経験に加え、何とも心お優しい緩和ケアチームのメンバーの皆様のおかげで、実り多い研修とすることができました。ありがとうございました。そして、当院緩和ケアチームの活動は、まさに診断早期からの緩和ケア、チーム医療という概念に当てはまる活動であると感じました。

各種がんに対する治療戦略は変化し、予後の改善も得られつつあるなかで、「がん患者の治療上、可能な限り苦痛な症状を軽減しQOLを高く保つということは、非常に重要である」との認識が、医療者側にも患者側にも広まってきています。しかし、主科の担当医だけで、メインの治療に加えて、患者さんの十分な身体症状管理や精神面のケア、御家族のサポートまで全て手掛けるのは、時間的にも体力的にも厳しいものがあり、また、その様子を見ている患者さんも、慌ただしい雰囲気の中で、ご自身のお感じになる細かな身体症状や疑問、気持ちなどを表出することを躊躇ってしまい、医療者と問題点を共有することが困難であったり、問題点への対応が遅れる原因となったりすることがあります。したがって、患者さんが、がんの診断や再発などのBad Newsの告知、治療、がんの進行に伴う様々な症状の出現を経験する急性期病院で、主科だけでは十分な対応が出来ない部分へのアプローチを担当する緩和ケアチームの介入は、必要不可欠であると思います。疼痛をはじめとした身体症状やメンタルストレスを緩和し、身体を動かせるコンディションに整え、場合によっては、リハビリテーションも組み合わせて行うことで、QOL・ADLを高く保った状態でがん治療を進められると理想的だな・・・と思ったりしています。

研修は終了となりますが、今後も、私の専門であるリハビリテーションの知識も生かしながら、緩和ケア医療に携わっていきたいと思っています。今後とも宜しくお願い致します。

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