緩和ケアチーム便り

緩和ケアチーム便り

2009年

2009/11/01
緩和ケアチーム便り

安達昌子

大分涼しくなって参りました。私は内科医なのですが、今年の5月から常勤として緩和ケアチームの一員に加えていただいています。今日はちょっと身内自慢をさせていただきます!実は、働きはじめて、「楽しいな、よし、もっと頑張ろう!」という矢先に体調を崩してしまい、しばしお休みをいただいていました。思いがけず病気になってびっくりし、先が見えずに焦ったり、いろいろ悩んだりしたのですが、その際に私を救い助けてくれたのは、親はもとより、お世話になっている周りの方々、とりわけ定期的に病室に送られてくる我がチームメンバーからの心のこもったメッセージでした。おかげで療養している時も自分もチームの一員でいられる感覚を失わずに、支えてもらいながら、職場復帰しています!今も、今後の私を支えてくれる大事なお守りとして持っています。

療養しながら、改めて患者さん達はみんな大変な思いや経験をし、頑張っていて、すごいなあと思いました。自分の思いを押しつける気はありませんが、患者経験を生かしながら、自分を支えてくれる方々からいただいた心も、仕事を通じて患者さん達に還元していきたいな、と思いながら仕事をしている毎日です。

話はかわり、先日、新潟の浦佐に行ってきました。時々外来や訪問診療をさせてもらっている在宅療養支援診療所なのですが、スタッフの皆さんが復活祝いをしてくださる事になり、のこのこ出かけてきました。この診療所には私のお気に入りのもの、一つは冬場の待合室のコタツと、もう一つ、額に入った雪道を歩く女性達の写真があります。「越後瞽女」という、女性旅芸人の方達の写真です。

彼女たちは、目が不自由ということで社会的には弱い立場だったのですが、雪のつらい時期を村人達がのり超えられるように、芸を披露したり、溜まりまくった愚痴を聞いて回り、村人達にとって何より心を癒す存在だったそうです。瞽女さん達の「訪問ケアの心」を忘れないように、という事で置いてあるのですが、久しぶりに見て、その精神に、緩和ケアにも多分に通じるものを改めて感じました。

ともあれ、我が緩和ケアチームは、患者さんががんを抱えていても最期まで自分らしく過ごせるよう、これからも、主科の医療チームと共に、あるいは時には主科の支えにもなり、最期まで支援していきたいと思います!そして「がん難民」と言われるような患者さんがいないような社会になって欲しいと思います。みなさん、これからもよろしくお願いします!!

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