緩和ケアチーム便り

緩和ケアチーム便り

2009年

2009/07/01
緩和ケアチーム便り

深田淳一

放射線科医として、前任者から緩和ケアチームのメンバーを引き継いでから1年あまりになります。
この短期間に緩和ケアチームをとりまく環境は急ピッチで整備され、参加するメンバーも充実してきています。
同時に周囲からの緩和ケアチームへの期待の高まりも感じております。
10年ほど前に前身の緩和ケア勉強会に参加させていただいたことがありますが、当時は麻酔科の先生と看護師さん数名でこじんまりやっていた記憶があります。

放射線治療の対象のほとんどはがん治療です。
以前は入院して放射線治療を受ける患者さんの多くは緩和的放射線治療の患者さんでした。他科で有効な治療法がないということで、放射線治療を依頼され、全身状態が不良な患者さんも多くおられました。
終末期といえる入院患者さんの担当も比較的多く経験して来ました。
こうした患者さんでは、病状の進行をとどめることはもとより、目の前に存在する症状の改善も難しいことが多く、試行錯誤の繰り返しでした。

現在、放射線治療の件数は非常に増加しています。
これにともない外来診療も増加しており、複雑化していく治療計画に追われる毎日です。
一方自分自身が主治医となって入院患者さんを担当する機会は減少しています。

しかし、緩和治療は放射線治療の重要な役割であることに何ら変わりはなく、放射線治療の適応であることに気づかれないことやタイミングが難しいケースもしばしば経験します。
緩和ケアチームというチーム医療の一員として、必要なときに放射線治療が適切に受けられるようサポートするとともに、自分自身も多くのことを吸収していきたいと思っています。

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