- 2009/06/01
- 緩和ケアチーム便り
金子 健
今年も梅雨の季節になりました。私は1年の中でこの時期が最も苦手です。
それは、洋服や靴などの手入れが面倒なことと、それに傘をよく忘れるからです。
普段あまり忘れ物はしないのですが、なぜか傘はよく忘れます。以前に、買って初めて使った傘を、本を夢中で読んでいたため電車の中に忘れたことがあります。そんなことで家内からは、いつも「ビニール傘にしなさい」と言われています。困ったものです。みなさんはそんな事ないですか。
何か良い方法がありましたら、是非教えてください。
ところで、私は病棟を担当している薬剤師です。
みなさん「病棟薬剤師」って知っていますか?「薬剤師=お薬を調剤する人」と思っていませんか。確かに、調剤は薬剤師にとって重要な仕事の一つです。
ですが病院の薬剤師の仕事は、調剤だけでなく多岐に渡っています。その一つが、病棟薬剤師です。
病棟薬剤師は、病棟で医師や看護師などと連携をとりながら、入院患者さんの使われるお薬について検討し、効果や副作用についての確認を行います。また患者さんにお薬について理解して服用していただける様に情報提供も行っています。このように患者さんが適切な薬物療法が受けられるように、常にチェックしサポートしています。
今回は私の病棟薬剤師としてのモットーをお話したいと思います。
それは、「薬剤師の視点から(つまりお薬の専門家として)、患者さんの状態を把握していこう」です。
患者さんの状態を知ることで、薬剤師として、そのお薬がその患者さんにとって良いか悪いか、最適な投与方法や投与量は何かを判断出来ると考えているのです。大切な時間を使って、入院し治療を行っている患者さんのためにも、お薬の良い部分を最大限に引き出し、患者さんが少しでも早く良くなるようにお手伝いができればと考えています。
患者さんによっては、時により“ビニール傘”をすすめることもあるかもしれませんし、和傘、ジャンプ傘や折りたたみ傘かもしれません。
もしかしたら、ホテルで使うような大きな傘かもしれません。しかし、どんな時でも、患者さんとは相合い傘でいたいと思います。そして、患者さんがこれからもずっとずっと安全に治療ができるように、最適なお薬を探し求めて、お薬の専門家としてがんばり続けたいと願っているのです。