緩和ケアチームの紹介

放射線科

放射線治療は、外科的治療や化学療法とともに、がん治療を担っている治療法です。放射線治療はその施行する目的により、根治的治療、準根治(姑息的)治療、対症的治療に分類されてきました。
現在の緩和医療には、対症的治療はもとより、姑息的治療を目的とする放射線治療も包含されています。
したがって、放射線治療において緩和医療は重要な部分を占めているといえます。

放射線治療による骨転移や腫瘍による局所の疼痛改善はよく知られていますが、除痛効果のみでなく、腫瘍の制御効果による臓器閉塞(気管や食道など)の改善・予防や他臓器(脳・脊髄、脈管)の圧迫改善効果も放射線治療には期待されます。
その他の対症的治療として、止血効果(直腸、子宮など)を目的に行われることもあります。
近年は治療装置や技術の発展に伴う放射線治療の高精度化が脚光を浴びていますが、目の前にいる患者さんの症状を改善することは放射線治療にとって治療の原点といえます。

緩和医療を目的とする際重要と考えられるのは、患者さんの状態、病変部位の把握、他の治療との関係に加え、患者さんが放射線治療に費やすことのできる期間や予後を十分考慮に入れることが必要になってきます。
そのためには、チーム医療による十分な情報交換、治療方針の検討が不可欠と考えられます。

進歩し続ける放射線治療を緩和医療にも活用するとともに、他の医療関係者に放射線治療の有効性と限界についても理解してもらう努力を続けていきたい。

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