緩和ケアチーム便り

緩和ケアチーム便り

2022年

2022/08/08
緩和ケア便り 8月号

慶應義塾大学医学部医学研究科 博士課程
がんプロフェッショナルコース2年生
慶應義塾大学医学部 内科学教室(消化器)
千田 彰彦

慶應義塾大学医学部消化器内科の千田彰彦です。私は学生時代より、患者さんの生命に関わるがんの診療に強い興味を持ち、胃・大腸・肝胆膵など多臓器のがんを診療する消化器内科の門を叩くことになりました。現在は、腫瘍グループに所属し、抗がん剤治療を中心としたがん集学的治療のエキスパートとなるべく、研鑽を積んでいます。今回、がんプロフェッショナル養成コースの一環で、約1か月間緩和ケアチームで研修させていただきました。

緩和ケアチームで印象的だったことは、チーム医療の実践と患者さんに寄り添う姿勢でした。まず1点目のチーム医療に関して、緩和ケアチームでは、医師・看護師・薬剤師など様々なスタッフが協力し、患者さん個々の最適な治療選択を行っていました。お互いの持つ知識や情報を補完して助け合い、対等な立場で議論されているのは、まさにチーム医療のあるべき姿だと感じました。

また2点目の、がん終末期患者さんに向き合う姿勢に関して、緩和ケアチームの方々は、本当にいつも温かく、患者さんの症状や心情に寄り添っていらっしゃいました。私の中でがん診療は、病気を治すということに意識が行きがちになっていましたが、私達医師が診るべきものは、「病気」の前に「患者」であるべきであるということを痛切に感じました。症状緩和や精神面でのサポートがあって初めてがんという病気と闘う準備ができると思いました。

この経験を今後に生かし、患者さんに寄り添えるがん診療医になっていきたいと強く感じました。最後になりますが、御指導を賜った緩和ケアセンターの皆様にこの場をお借りして心より御礼申し上げます。

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