- 2015/04/07
- 緩和ケア便り 4月号
がんプロフェッショナル養成コース3年
歯科・口腔外科 山田有佳
私は歯科・口腔外科の中の口腔外科専従で、主にがん治療における口腔管理や口腔関連の有害事象対策など口腔関連の支持療法を専門にしております。今回、緩和ケアチームで2か月間研修させていただき、院内だけではなく、ホスピスや在宅療養の研修など貴重な経験もさせていただきました。
がんの根治的治療中であれば、支持療法として有害事象の症状緩和や予防に対応することが多いですが、その対策が必ずしも“苦痛なく楽である”とならないこともしばしばあります。しかし、がん終末期の症状緩和では、単純に苦痛を取るということ以外に患者様にとって“楽な方法”であることも重要です。また、全人的な苦痛をうまく表出できないことも多いです。患者様の身体的精神的苦痛や尊厳をうまく汲み取り、患者・家族と医療者双方にとってできるだけ“苦痛なく楽な”方法で苦痛を緩和することの難しさを痛感しました。
患者様はがんと診断された段階で“死”を意識されることも多く、がん治療のどの段階でも何かしらの苦痛を持っています。根治的治療が“治癒”という目標から外れてはいけませんが、この経験を生かして、患者様にとって可能な限り“苦痛なく楽な”治療に近づければと思いました。
この2か月間を通して“死”の瀬戸際に立たされた患者様と向き合って治療することなど大事なことを学ばせていただきました。お忙しいのにも関わらず、ちょっとした疑問でも緩和ケアチームの先生方、スタッフの方々から丁寧に教えていただきました。本当にありがとうございました。