緩和ケアチーム便り

緩和ケアチーム便り

2026年

2026/9/10
緩和ケア便り 9月号

慶應義塾大学病院 内科学教室(消化器)
會田 卓弘

2026年7月から8月の2か月間、がんプロフェッショナル養成プログラムの一環で緩和ケアセンターにてご指導いただきました。

私は消化器がんの診療に携わっておりますが、この2か月の研修にて様々ながん種の患者さんを拝見し、また緩和ケアチームの皆様の診察の様子や介入に関するお考えを近くで伺い、普段の診療のみでは経験できないような貴重な時間を過ごすことができました。

診察においては、患者さんの目線にあわせてしっかりとお話をお聞きする様子、また、痛みについてはもちろんのこと、痛み以外の症状に関しても情報を拾い上げている様子が印象的でした。また、症状や検査所見から痛みの原因を推察してアセスメントする点も勉強になりましたが、症状のみならず、患者さんの生活面での背景にも目を向けて診療をなさっていた様子は、今後の自身の診療にも取り入れて活かしていくべきと感じました。

2か月の研修を振り返ると、患者さんが喜ばれている姿を見る機会が多かったと感じます。抗がん剤の治療や、感染症の治療のための入院、疼痛緩和目的での入院など、患者さんにとっては苦痛がおありの状況であったと推察します。しかし、緩和ケアチームの皆様が患者さんひとりひとりに向き合い、アセスメントして改善していく過程で、患者さんが喜ばれる姿を見る機会が多かったという点が印象に残っております。中でも最も印象的な 症例は、呼吸困難に対して静脈注射でのオピオイドを導入した患者さんです。依頼があった日にはとても苦しそうにされていた患者さんが、翌日にはまるで別人かのようにリラックスした様子でお話されており、緩和ケアの重要性を改めて痛感しました。

患者さんひとりひとりにとって最適な医療を提供するにあたり、患者さんのお話をしっかりと伺い、患者さんが抱えられていることや患者さんの背景を理解し、アセスメントするというプロセスがいかに重要か、再認識することができました。この2か月の経験を今後のがん診療に活かして参ります。最後になりますが、2か月の間ご指導いただきました緩和ケアセンターの皆様に心よりお礼を申し上げます。今後もお世話になることが多々あるかと存じますが、引き続きご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。

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