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- 2026/1/7
- 緩和ケア便り 1月号
慶應義塾大学病院 薬剤部
嶋 亮太
2025年12月5日(金)野村コンファレンスプラザ新宿にて開催された「Palliative Care Seminar」に参加いたしました。
講演�気任蓮�株式会社akホールディングス 上永谷薬局の緩和薬物療法認定薬剤師である大野朋子先生より、『Home に帰るということ 〜多職種での関わり〜』と題してご講演いただきました。 大野先生からは、在宅緩和ケアにおける麻薬の備蓄体制に関する課題や、患者さんの予後が限られている切迫した状況下で、いかに多職種とコミュニケーションを図りながらケアを実践しているかについて、現場での具体的な経験を通してお話しいただきました。 特に、限られた時間の中で最善のケアを提供するために、薬局薬剤師がチームの一員としてどのように連携し、患者さんを支えていくべきかという視点は非常に勉強になり、地域医療における薬剤師の役割の重要性を改めて認識する機会となりました。
続いて講演�兇任蓮�国立がん研究センター中央病院 緩和医療科 医長の石木寛人先生より、『がん神経障害性疼痛治療における鎮痛補助薬の役割』のご講演をいただきました。 冒頭では、同院の年間2,577件にも及ぶ豊富な緩和介入実績や、近年の薬物療法におけるオピオイド依存の課題、便秘対策(ナルデメジンの有用性)、オピオイド内服回数削減によるインシデント減少への取り組みなど、多角的な視点から最新の知見をご共有いただきました。
本題である神経障害性疼痛については、ガイドラインに基づいた薬物療法の解説に加え、難治性疼痛に対する治療目標の設定(痛みゼロではなく生活の質の改善)について強調されました。 特に薬剤選択においては、ガバペンチノイド、SNRI、三環系抗うつ薬といった主要な鎮痛補助薬について、その有効性や位置づけに関する具体的なエビデンスもご紹介いただき、戦略的な薬物療法の重要性を深く理解することができました。 さらに、薬物療法のみならず、骨転移カンファレンスを通じた集学的アプローチや緩和的IVR、難治性疼痛に対する遠隔コンサルテーションの活用、そして鍼灸治療の可能性についても言及されました。標準治療から統合医療的なアプローチまで、患者さんの苦痛緩和のためにあらゆる手段を検討し提供する姿勢に深く感銘を受けました。
今回のセミナーを通じて、在宅での「生活を支える多職種連携」と、豊富なデータに基づいた「包括的な疼痛管理」という双方の視点を学ぶことができました。特に治療の引き出しを多く持つことの重要性を再認識し、明日からの業務においても、より広い視野で患者さんのケアにあたりたいと思います。