緩和ケアチーム便り

緩和ケアチーム便り

2025年

2025/1/8
緩和ケア便り 1月号

慶應義塾大学医学部 外科学(一般・消化器)教室
医学研究科1年 川本潤一郎

この度、がんプロフェッショナルコースの一環で2024年12月の1カ月間、緩和ケアチームで研修させて頂きました。私はこれまで外科診療に3年間従事してきており、お看取りの患者さんを担当することもありましたが、緩和ケアの主体的な経験に乏しい状況でした。そのため、先生方から多くのことを吸収できるチャンスと思い、研修を始めました。

研修内容は、まず講義や緩和ケアチームの先生方が作成した資料で予習を行い、実際の病棟では指導の元で担当患者さんの診察を行いました。1カ月という短い期間の中で、見学だけでなく、その患者さんに対してどのような緩和ケアプランが望ましいかを主体的に考えて、意見交換することができました。研修を通して、チームの先生方はオピオイド導入の適切なタイミングや患者さんの問診など、看護師さんは患者さんの小さなことに気づく能力や病棟看護師さんとの情報共有、薬剤師さんは適切な薬剤調整など、チームの方々の豊富な経験に日々驚くと同時に、チーム診療の大切さを学びました。

また、私は緩和ケア病院や病棟に転院する患者さんを受け持つことがあっても、それらの施設を実際に見たことがありませんでした。そのため、研修中に施設見学を希望し、先生方のご高配のもと地域の緩和ケア病棟の見学の機会をいただきました。そこでは、一般的な緩和ケアのイメージと違い、病棟の明るい雰囲気や患者さんに少しでも食べる楽しみを味わってもらおうとする配慮など、自分の知らない世界や考え方を学ぶことができました。

私は今回の研修を通して緩和ケアに興味を持ちました。先生方から教えて頂いた知識や患者さんへの姿勢を忘れずに、今後の診療に生かして参ります。また、研修中に、緩和ケア専門医の数が少なく、ニーズとのバランスが取れていない現状もお聞きしました。私は、今後外科診療に邁進する予定ですが、もし機会があれば先生方のお力になることも選択肢の一つにしたいと思いました。

1ヶ月間、充実した研修をさせていただき、竹内先生をはじめとする先生方に感謝申し上げます。そして、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

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