- 2019/7/22
- 緩和ケア便り 7月号
慶應義塾大学大学院医学研究科 林航輝
5,6月と2ヶ月の間、緩和ケアチームの一員に加えていただいた、一般・消化器外科所属の林航輝です。私は大学院のがんプロフェッショナル養成コースに所属しており、2ヶ月間の間、緩和ケアについて集中的に勉強させていただく貴重な機会をいただきました。
私は医者として働き始めてから6年目、外科医として勉強を始めてから4年目になります。市中病院、大学病院のいずれでも手術後の疼痛に苦しむ患者さんだけではなく、癌の終末期の患者さんおよびそのご家族など様々な患者さんの「痛み」と向き合ってきました。
自分なりに勉強し、担当看護師やその他チームの皆と「痛み」の解決策を模索し続けました。うまく対応できたと思うこともあれば、もう少しなにかできたのではと感じることも多々ありました。
この2ヶ月間の緩和ケアチームでの研修で専任のドクターはもちろん他職種のスタッフの方々の考え方、患者さんとの接し方、薬剤の使い方など様々なものを学ぶことができました。これまでの私の反省もあわせて、患者さんの様々な「痛み」に対してより質の高い医療を提供していきたいと思います。
また、ホスピスや訪問診療など、これまで自分が経験したことのない現場も経験させていただきました。病院ではない場所で「最期」を過ごされている患者さんおよびそのご家族の柔らかい笑顔が印象に残っております。終末期の過ごし方に関しては様々な価値観があると思いますが、この経験を今後の診療に役立てたいと存じます。
最後に、この場をお借りして、関わらせていただいたすべての患者さん、ご指導くださった緩和ケアチームの皆様、関連施設のスタッフの皆様に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。