緩和ケアチーム便り

緩和ケアチーム便り

2018年

2018/5/9
緩和ケア便り 5月号

一般・消化器外科 がんプロフェッショナル養成コース 若林 大雅

この度、がんプロフェッショナル養成コース大学院の一環として、良い巡り合わせがあり、緩和ケア科で2カ月間研修をさせて頂きました。その中で、これまでの緩和ケアに対する認識の他に新たに気づかされたことがいくつかありました。

私は肝胆膵外科を専門としており、普段から末期がんの方や、末期肝硬変症といった根治が困難な疾患の患者さんと触れ合うことが多くあります。特に緩和ケア科の先生に相談を仰ぐ場面は、そのような患者さんが持っている身体的・精神的苦痛などを軽減することが主な目的です。

緩和ケア医療といっても、我々のような大学病院の病棟患者さんに対してのみならず、ホスピスや在宅医療などと多くの形態が存在します。今回、野中病院での在宅医療や、衛生病院でのホスピスでの研修において、私たちが普段診療をさせていただいている患者さんが、退院後にどのような最期の時間を過ごしているかを目の当たりにすることできました。その中には、再発胃癌に対して通院で抗PD-1抗体製剤を投与しながら、在宅医療を受けていた方もおり、医療の進歩とともに緩和ケアの在り方も少しずつ変容している様を感じました。
この課外実習は、今後私が個々の患者さん本人や家族にとって、最良の医療を考える上で非常に貴重な財産になったと考えます。

最期にこの2カ月間の実習を通じて、早期に緩和ケアを介入することの重要性を強く感じました。例えば、がんと診断された後、なるべく早いうちに緩和ケア科のスタッフが関わりをもつことで、患者さん本人だけでなくご家族にとっても、将来迎えることになる最期の時間を整えるのに必要な時間を共有することができます。

2カ月間面倒を見て頂いた緩和ケア科の先生、看護師をはじめとするスタッフの方々に、この場をお借りして感謝を申し上げます。

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