緩和ケアチーム便り

緩和ケアチーム便り

2018年

2018/1/9
緩和ケア便り 1月号

一般・消化器外科 上部消化管班 がんプロフェッショナル養成コース
竹内 優志

 今回、がんプロフェッショナル養成コースの一環として、2017年11月から2ヶ月間、緩和ケアチームの診療に参加する機会を頂戴し、大変多くのことを学びました。

 私は食道癌や胃癌といった上部消化管領域を専門としておりますが、特に食道癌は大変予後の悪い癌の一つです。周術期死亡率が3%という大手術を乗り越えたにも関わらず転移再発で再入院してくる患者様も多く、癌による痛みだけでなく病気の恐怖や失望とも戦っている患者様やその家族の姿を間近で見てきました。もちろん、癌の完治を目指して我々外科医は戦っていますが、現代の医学では完治が困難であることも多々あります。その中でどのように患者様や家族の苦しみを受け止め解決していけるのだろうかと考えておりましたが、今回の実習で改めて緩和ケアの位置付けの重要さを感じました。

 緩和ケアは本来癌と診断されたその日から提供されるべき医療であり、 早期より痛みや身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題に積極的に対処するべきです。しかし徐々に浸透してきているものの、まだまだ私をはじめその認識に乏しい臨床医もいらっしゃると思います。私のできる事としては、臨床医の立場から少しでも緩和ケアの考え方を浸透させていき、今後の診療に日々励んで参りたいと考えております。
 最後に、お忙しい業務の中丁寧にご指導くださった慶應病院緩和ケアチームの皆様、衛生病院および永寿病院の緩和ケアチームスタッフの皆様に御礼申し上げます。今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。

<<前号へ 次号へ>>

ページの先頭へ