活動報告

第10回 城西緩和ケア講演会を開催しました。

第10回 城西緩和ケア講演会〜明日から役立つ緩和医療!!〜

第10回城西緩和ケア講演会が10月31日(木)午後6時45分より新宿住友スカイルームで開催されました。

上島先生
上島先生

まず始めに、日本大学医学部附属板橋病院、薬剤師の上島健太郎先生より「フェンタニルの有用性を再考する」という表題について、添付文書だけではわからないフェンタニルの基礎情報、ROO製剤、天井効果の有無、神経障害性疼痛・呼吸困難感への使用、オピオイドナイーブ患者に対しての使用についてお話しして頂きました。それぞれに関連した論文を紹介して頂きながら分かりやすく説明して頂きました。すぐに病棟で実践できる内容も多く、フェンタニルの使用についてこれまでに得られた知見をもとに、患者さんの状態を考慮し、効果や副作用をみながら使用していく必要があることを改めて学びました。

蔵本先生
蔵本先生

また、今回の特別講演では、亀田総合病院 疼痛緩和ケア科 医長/地域医療連携室室長の蔵本浩一先生より「人生会議を考える〜もしバナゲームの取り組みを通して〜」についてご講演頂きました。
まず、最初にもしバナゲームについての説明して頂きました。蔵本先生が作成されたもしバナゲームとは「もしものための話し合い」の造語であり、大事なものリストを作成するためではなく、重要な事やその理由についての話し合いを促進することを目的として作られたものとのことでした。このゲームでは「もし今、余命半年と言われた時に、何を大事にして過ごしていくか」について考えてカードを選択して話し合うことで、自分の価値観の確認に加え、他人の価値観にふれるという貴重な体験が出来るとのことでした。自分はまだ、ゲームをした経験がないのですが、お話を伺っているうちにすごく興味が湧き、是非やってみたいと思いました。

次に「人生会議」についてお話しして頂きました。人生会議を行う時期については、早すぎても遅すぎてもダメであり、個人によって取り組む姿勢が違っており、医療者としての望ましい姿勢は「積極的待機」とのアドバイスも頂きました。2019年6月に日本老年学会より「ACP推進に関する提言」が発表され、当院の医療安全管理部内でも「患者の意向を尊重した意思決定(支援)のための手引き〜アドバンス・ケア・プランニングのガイド〜」の作成を行っているため、大変勉強になりました。

今回、二人の先生方のお話しを伺い、フェンタニルの使い方や、「人生会議」を通して患者さんとの向き合い方について再考する大変充実した時間を過ごすことができました。

慶應義塾大学病院 医療安全管理部 嶋亮太

左から金子先生、蔵本先生、上島先生、橋口先生
左から金子先生、蔵本先生、上島先生、橋口先生
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